パンデミックBCPと通常のBCPとの違いとは

パンデミックBCP

パンデミックBCPとは

コロナウイルスの流行により、BCP(事業継続計画)の重要性が増しています。その中でパンデミックBCPという言葉が、企業の間で注目されています。

パンデミックBCPとは、その名の通り「パンデミック(感染症)が発生した場合のBCP(事業継続計画)」です。

気になる点は従来のBCPとパンデミックBCPの違いです。

BCPの発生条件が、前者は全社地震や台風などの災害、後者はウイルス感染症などのパンデミック現象という違いだけであり、実質的なBCPのアプローチ方法は一緒であると考えている方が多いようです。

 

しかし、実は両者には決定的なアプローチの違いが存在します。

今回は通常のBCPとパンデミックBCPの違いについて解説した後、パンデミックBCPの策定指針について解説していきます。

通常のBCPとパンデミックBCPの決定的な違い

地震や台風などの自然災害を想定した通常のBCPは、「業務の復旧スピード」を重視しています。

災害時は局所的ですが業務を停止し社員やオフィス・工場などの安全確保に努め、被災後に復旧作業に専念します。また復旧時は外部からの支援を受けることができ、どれほど早く通常の業務レベルにまで回復させるかが焦点となります。

一方、パンデミックBCPは「業務の選択と集中」を重視します。

パンデミック発生時は数か月の間、人員が減少したり、稼働率が落ちることを前提として社員が業務を継続する必要があります。また災害時とは異なり、外部からリソース供給を受けることも困難です。

そのため、稼働可能なリソースと業務内容について調査・分析し、優先度が高い業務に社内リソースを当て、できる限りの範囲で事業を継続するための業務面での選択と集中を行います。

特に厚生省の業務継続ガイドラインによれば、新型インフルエンザのパンデミックによる被害想定で、約40%の人間が欠勤すると予想されています。そのため、パンデミックBCPを策定する際には、約60%のリソースで対処することを前提とすることが妥当です。

パンデミックBCPの策定方法

では、実際に企業がパンデミックBCPを策定する場合はどうすれば良いのでしょうか?

パンデミックBCPを策定する場合、以下の4STEPを利用します。

・全社方針の決定

・事業継続体制の構築

・感染防止策の立案

・業務継続策の立案

 

特に重要な点は、他の3つの要素の基本指針となる「全社方針の決定」です。

全社方針の決定で検討すべきは以下の3要素です。

❶BCP主管の部門を設置と役割定義

BCP主管部門はBCPの作成と維持を担当する部署です。同名もしくは同機構があれば新たに設置する必要はありません。

BCP主管部門に求められる人材は、社内事業を包括的に把握しており、社外の人材と円滑なコミュニケーションが取れる人物です。なぜなら、前者はBCP策定時に各組織の機能や業務の洗い出し時に必要であり、後者はBCPの策定は外部の人間との連携を必要とするからです。

❷リスク分析と事業所ごとの脆弱性把握

パンデミックBCPにおけるリスク分析とは、組織が抱えるパンデミック拡大のリスクを、立地や業務内容から数値として算出することです。

例えば、都心と地方の事業所では立地や社員の通勤手段の違いによって、パンデミック拡大のリスク値に差が生まれます。この算出された数値を元に、各事業所の脆弱性を把握し、その後の「事業継続体制の構築」や「感染防止施策の立案」を講じる際の判断材料とします。

❸事業レベル分析を通じ継続対象事業を選定

従来のBCPとパンデミックBCPが大きく異なる「業務の選択・集中」の観点から事業レベル分析を行い、継続対象と停止対処の事業に分類します。

事業レベル分析では各事業を以下のような項目で分析し、重要度を決定します。

・主な顧客

・関連従業員数

・収益への影響

・コンプライアンスへの影響

・社会的影響

各事業の重要度を算出した後、「継続」と「停止」事業の重要度のラインを決め、2つに分類します。

次に継続対象事業の分析を行い、さらに優先度付けをします。ここで検討すべき観点は「業務内容」と「許容停止時間」の2つです。

例えば、パンデミックの発生目安期間は大体2か月ほどと言われているため、2か月以上業務が滞っても企業活動への影響が少ない事業については優先度が低くなります。一方、1ヵ月でも業務が停止した場合に、組織に大きな損失をもたらすリスクがある業務は継続対象業務として選定し、事業継続の優先度を高くします。

パンデミックBCPの策定においては、まず「業務の選択・集中」という観点から全体指針を

定め、その後事業継続体制の構築、業務継続施策の立案、感染防止施策の立案に取り掛かることが望ましいです。

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